おバカスパイグッズはセキュリティ推進者の過剰反応を加速させるか

先日ニュースサイトを見ていたら、こんな新製品が出ていた。
サンコー、ビデオカメラ内蔵のアナログ式腕時計
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20081209/thanko.htm

サンコーといえば、ITmedia D+ PC User:おバカのページでも名が知られている、何でもかんでもUSBケーブルくっつけたユニークな(時にはUSBケーブルである必然性を全く感じない)製品を出しているメーカーだが、どんな製品なのかと思ったら…。


 サンコー株式会社は、ビデオカメラを内蔵したアナログ式腕時計「VIDEO CAMERA Analog Watch 4GB」を9日より発売した。直販価格は13,800円。

 文字盤の1時と2時の間にピンホールカメラを内蔵。マイクや4GBメモリも装備しており、352×288ドットの音声付動画がAVI形式で録画できる。ビットレートは約900kbps、フレームレートは12コマ/秒で、映像コーデックはH.263。

なんじゃそりゃーと、製品サイトを見てみると…。


ふと、思い立った時に撮影ができビジネスチャンスを逃しません!もちろん音声も一緒に録音されます。

何だよ、「ビジネスチャンス」って。

明大の夏井先生がブログで盗撮の可能性について懸念されていたが、「ビジネス」、つまり企業での業務利用を想定するとなると、企業敷地内での「盗撮」の可能性も懸念されるところ。

他にもこんなのないか探したら、同じサンコーからペン型のビデオカメラが出ており、他社からも同様の製品が出ているようだ。またカメラではないけどこっそり持ち込んでデータを持ち出せる偽装USBメモリとして、同じくおバカグッズメーカとして知られるソリッドアライアンスからハンコ型USBメモリなんてのもあった(しかもシヤチハタが提携しているという始末)。

ただでさえ一部の製造業の工場とかでは、カメラ付携帯電話の持込が制限されている状況である*1。持ち込み禁止を推進している会社のセキュリティ推進者がこの手の製品の対策についてどう考えるのか問い詰められたら、どう対応とるつもりなのだろう。この手のスパイ活動を助長するようなおバカグッズ出るたびにその製品写真の束を入り口において守衛さんに持ち物検査させるとか言い出しかねない。そこまでやると過剰反応になるので、入り口で「カメラ機能のある電子機器類は全てこのロッカーに入れて施錠してから中に入ってください」と性善説をとらざるを得ないか。

てゆうか、「面白そう」という「思いつき」だけで製品化に突っ走るのはもういい加減にして欲しいぞ(おバカグッズに限らずWebサービスとかも)。

*1:訪問者のケータイはロッカーに預けさせるくせに社員のケータイは堂々と中で使い放題という、リスクアセスメント状況によってはふざけているとしか思わざるを得ない会社を知っている。